大怪獣魔境展
- 2017.10.15 Sunday
- 01:28
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大怪獣魔境展 2017年10月14日(土)
渡辺一弘さんと藤井浩一さんによる展示会「大怪獣魔境展」にお邪魔してきました。
あまり怪獣に詳しいわけでは無いけれど、とにかく怪獣を作り倒す人の作品ってどんなもんだろうと好奇心だけをバックに詰め込んで向かったのである。
会場は、横浜市鶴見区にある東鶴堂ギャラリー。京浜急行「東鶴見駅」のすぐそば。
なんの予備知識も無くうかがったのに、お二方とも丁寧に説明下さり、あまつさえお茶とクッキーまでいただきました。
ありがとうございました。
それでは早速、お二方の作品のご紹介。と、言いたいのですが、とにかく作品数が半端じゃない。
なので、自分目線で厳選してお伝えする所存です。
自分目線と書きましたからね。
「お前は見る目が無い」というご批判しか受け付けませんよ。
最初に渡辺さんの作品から。
渡辺さんは怪獣の特徴をとらえながらデフォルメチックでユーモラスな作風。
どことなくブルマークを思い出す感じ。
意外と大きいのでお部屋のインテリアとしても映えますね。ケムラー欲しい。
今、写真見て思ったんだけど、ラゴンのアップ撮り忘れた。
お怒りのグドンさん。
グドンと言えばツインテール。
ツインテールは、違う方の参加作品とのこと。
食っちゃる感満載のお顔。
走るメトロン。この角度から見るとエビぽい。
ガッツ星人。頭良さそう感がもろ出しのデフォルメ。
ガリ勉君のめがねっぽい。
グビラ。グビラ好き。手が動かしいにくくてもどかしくてせつない感をオーラのように感じる。
ガン付けてるギエロンさんだけどお茶目に彼の顔を覗き込んでるように見えるね。
ケムラー好き。顔のどんくさい感じと尻尾のちょっとやな感じがとても好き。
渡辺さんの作品で3番目に好きだったアントラー。もともとアントラー好きだけど、本当に「どすこい」な感じがいい。
アントラーをアントラーらしく作るって結構むずかしい気がするけど、アントラーらしさ満載でデザインがまさしくアントラー(って何をいいたいかというと虫じゃないってこと)
筋肉自慢のお二方。二人ともゴリラっぽいぞ。
渡辺さんの作品で2番目に好きだったベムラー。ベムラー好き。
「僕の胸に飛び込んでおいで」と言いたげな恰好が最高。
でもお顔は正当派。ベムラー好き。
ナンバーワンはキュラソ。ケムール人は大好きだけど、自分のキュラソ愛を発見した作品でした。
いまやケムールよりキュラソかも。
この目のグリグリ感最高。その目の光を強調するキュラソの肌具合がケムールよりせくしぃ。
ここから藤井さんの作品群。まさしく作品群というにふさわしい作品群。
なんでもとにかくとりあえず全話分の怪獣を作られる所存らしい。
一部見受けられないやつもいたようだけれど、それを気付かせない圧巻の「作品群」
藤井さんの特徴はとにかく多いということ。ご本人も言っていたけどクオリティにはあまりこだわっておらず、とにかく作り倒されていて、ほとんどが1〜3日の間に完成させる驚異のスピード。
とはいえ、説明しがたい魅力があるので、それは作品ごとに。
またまた登場。ツインテールとグドン。子どもの頃、ツインテールはエビのような味って信じてた。多分、もっと固い。
こまかいこだわりでまぶたがちゃんとあります(下まぶたも)。
サイゴ好き。多分藤井さんも好きなんだろうなサイゴ。
このサイゴのヌメッと人の入ってる感がすごく好き。で、そんな感じが良く出てる。
この背中の線。まさしく「そうそう!」と言いたくなる。
サイゴ好き。
作者の愛を感じる気がするなぁ。
脱獄犯はかわいく窓際でお座り。
子ども心にミサイル感が無さ過ぎるデザインだと思ったベロクロン。
それはさておき、この写真が一番わかりやすいので、自分の感想。
藤井さんの作品の大きな特徴の一つが彩色だと思う。
「怪獣はこうあるべきだ」とか「こうするとリアルでかっこいい」とか全く感じられず、頭の中の怪獣の色合いをそのまま乗せている気がする。
だから、作品を見ているとこれらの怪獣がテレビの中で暴れまわっていた姿が生き生きと蘇る。
藤井さんの脳内変換が伝播して作品を見ている人の記憶を呼び覚ますような、そんな色合い。
藤井さんにその感覚を伝えるのにあえて「ブラウン管色」と伝えたのだけれど、今一つ表現が下手糞だった。
このベロクロン、本当に鮮やかな色合いなんだけど、子どもの頃見たベロクロンは本当にこんな鮮やかさだった。
(時間があったらベロクロンを検索してみてください。本物はもっと彩度は低いのです)
グビラ好き。渡辺さんのグビラのチャームポイントが「もどかしさ」なら藤井さんのグビラのチャームポイントは「はんぺん」。
グビラみるといつも「はんぺん」って思ってて、この作品はまさしく「はんぺん」グビラ。
おもちゃでこの感じのグビラにであったことが無い。
サータン。好き。そして、この作品はとってもサータン。
サータン、いいよね。本当、こんな感じ。
サータン、いいなぁ。
もともとが想像の象のような感じで、生物として不完全な不気味さがあるデザインだった。
子どものころはその戦い方も含めて好きでは無かったけれど、大人になって改めてデザインを見て、ものすごく好きになった怪獣。
そして、この作品はとても正しくサータンだと思う。
藤井さんの「速攻完成」の作風もあるのだと思うが、どこか未成熟な感じを全体に帯びていながら、毛の感じ、目の強さ、鼻の気味悪さ、そしてこの全身の色合い。絶妙なバランスでサータンの持つ「嫌な感じのデザイン」と同等の印象を持つ。
あ、なんかまじめで偉そうなこと書いてる。
えっと、サータンさいこう
藤井さんのもう一つの特徴がデザインの解釈を大幅に変更するところ。
これが面白くて、例えばこのタッコングはとても正しい作りなのにザザーンは全然違うデザイン。
聞いたところ「食べられちゃう感が出したかったんですよ」とのこと。
もしかしたら藤井さんの頭の中ではもともとザザーンはこんな感じに見えていたのかもしれない。
そう思うと、このザザーンがとても正論に見えてくるのが面白い。
ビーコン好きなんですよ、と言ったら空中写真の背景を出してくれた。
この所在なく宙に浮いてる感じ。まさしくビーコン。
今回の展示は怪獣にさほど知識の無い自分からしてもとても面白く発見があった。
渡辺さんの完成された物語のある作品と
藤井さんの不完全ながら愛すべき作品。
まったく方向が違うのに同じ空間で共存して、あっち見てこっち見てしてしまう。
お二方の表現を楽しみながら、新ためて怪獣って面白いと感じました。
良い作品を一杯見ることが出来て大満足。