ガレージキット「Luce ver.1.5」

  • 2017.09.23 Saturday
  • 00:29

JUGEMテーマ:プラモデル

 

「Luce ver.1.5」(KLONDIKE)ガレージキット

 

また傑作キットを凡作に仕上げてしまった。

 

いつもは照れ隠しで色々と不適切な言いわけを書いたりしているが、人がどう思おうとこのブログ。

真面目に書いております。

しかし、今回はいつもにも増して、増し増しで、期間限定5%増量でお届けします今回のプラモもといガレージキットはこちら!

 

Luce ver.1.5

0010.jpg

(Klondike氏のHPから画像を拝借しました)

 

このブログの読者ならご記憶にあるだろう。

いや、このブログの読者でも、もうすでにお忘れであろう。

いや、このブログの読者が過去のエントリーを覚えるほど読んでくれているだろうか?

いや、そもそもこのブログの読者って存在するの??

……

 

あのぉ、こちらのエントリー「ワンダーフェスティバル 2017冬」でですね。書いてるんです。後ろのほうです。良かったらちょっと読んでみて下さい。時間のある時で結構ですので。

このキットを購入した際に「これが、上手く作れたら、モデラーとしてのステージを一つ上がれるような気がする。」って書いてるんです。

 

すなわち、今回のエントリーは言わば、自分の、自分による、自分のための昇級試験みたいなもんだと、そう思って望んだわけで、今までになくまじめな導入となっております。

 

ガレージキットに関しては、高校生の頃、家の近くに寿屋(立川第一デパート)があったので、ゴジラとか買ってたんだけれど、色塗ってもボロボロ落ちるし、接着しても翌朝には剥がれてるしで、持ってるだけになってた。逆襲ゴジラとモスラは持ってたの覚えてる。今、とってあったらお宝間違いなし(ペーパークラフトのほとんど作成が無茶なメーサー車なんかもあった。懐かしい)。

 

ですので、実質初作成。しかも大物(1/8くらい?)。

今回は多くの方のご助言と作成レビューをパクって参考にしております。

先人のみなさま、また尊敬するフィニッシャー・モデラーのみなさま、赤羽模型玩具店のマスター。感謝しております。

 

前置きが大分長くなったので、さっそく(すでにさっそくではない)キット内容から。

 

インストっていうか、むしろリファレンス。初心者にもやさしいアドバイスが書かれており、やさしくしてもらった気持ち。

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パーツは19個(と、説明書に書いてある)。まずは、手のパーツ。

片腕で3つのパーツ構成。

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次に最も大切なお顔のパーツ。髪の造型が素晴らしい。

Klondikeさんのフィギュアの中でも、このLuceに心を奪われたのは、髪型が好みだったのが一番かも。

おしゃれ帽子が付いてます。

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そして、ボディ。色分けしやすい絶妙なボディ分割。特に右胸元のしわの入りが素晴らしいぃぃ、のよ(脇ふぇち)。

下にある細長い板は背中に付ける革ベルト。

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最後に足のパーツ。このフィギュア最大の見せどころ、だと思う。大胆でシンプルな分割。特に生足のパーツは抜きがきれい。

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と、言ったら失礼でした。大事なパーツがあります。

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お好きな場所に接着してください。と説明が。…今回は、使いません…

 

改めて見ると、ほんとに美人さんだねぇ。

Klondikeさんのフィギュアの特徴か、鼻筋と口元がちょっと幼い感じのある顔つきになってて、そこもまた魅力の一つ。

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で、作りはじめるわけだけれど、どにかくガレキ初心者なので、まずはなにからするのか、と。

まぁ、どんな模型でも最初はバリ取りなので、そこから始めることに。

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タミヤモデラーズナイフプロの平刃で目立つバリを切り取り。

 

取りきれないバリを超硬スクレーバーで削り取る。これで大きなバリは大体処理。

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バリを取った後は、ゴッドハンドの紙ヤスで番手を落としながら、取りきる。

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湯口では職人堅気のハイパーカットソー0.15が大活躍。

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なんとなく作業工程をそのまんま書いてるけど、自分の覚書&これからガレキはじめて作る初心者仲間の参考になればと、いつになく真面目な気持ちで(だからまじめなエントリーだと最初に書きましたよね!←意味無い逆切れ))書いております。

 

髪の毛の間などにレジンが回って膜状になっているところは、デザインナイフで切りぬき。

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ある程度下処理が終わったら、タミヤのスポンジヤスリで全体を整える。なんでも下ごしらえが重要なのよ。

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さて、ここからが洗浄。

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ガレキの場合、型から抜く時の離型剤が強力なので洗浄を必ずやるのは当然で、しかも念入りにしなければならないらしい。

ここは大事な所だと思ったので、いろんな方の作成記録を見てみた。

最も恐怖を受けた「離型剤はキットに染み込んでいるのでいくら洗っても結局無駄」という一文はすべての価値観を崩壊させる(じゃぁ、なんでガレキってあるの???)破壊力があったが、そこは見ないようにして、大体次のことがわかった。

 

1 茹でるといいらしい(表面の離型剤が溶けるとともに染み込んだ離型剤も熱でガスとなって出てくる←ホントかしら?)

2 クレンザーで洗うといいらしい

3 台所用洗剤でゴシゴシあらうといいらしい(これは、プラモも一緒)

4 メガネ洗浄機がいいらしい(離型剤まで落ちるのかしら?)

5 なにはともあれ、専用の洗浄液がマスト(これだけでいいんじゃないか?)

 

で、前作のFAGで痛い目にあったので、とにかく綿密にやることとした。

 

茹でる。

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ただ、茹でてます。沸騰させて30分茹でました。ガス出たかどうかはわからないけれど、確かに独特のにおいは無くなった。

あと、茹でる効果で、レジンが柔らかくなって歪みが無くなるという説明もあって、これは実感。

 

そして、ガイアさんのレジンウォッシュにぶち込み。

浅漬けみたいにして一晩置いてみる(冷蔵庫には入れません)。

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セスキ炭酸ソーダでゴシゴシ。重曹にしようかと思ったけれど、開けたセスキがあったので。

クレンザーよりもやさしいし、台所洗剤より油を落とすの。大体、普段のプラモはセスキと台所洗剤併用してるし。

ちなみに使用済み歯ブラシを使用(リユース?リサイクル?)

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そして、メガネ洗浄機へ。ブーン。

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これで終了。先ほどの画像と見た目は変わらないけど、触り心地がなんともまぁha-to

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次に軸打ち。これは本当に知らなかったし、知ったとしてもどうやればよいか分からなかったと思う。

そこで、教えてもらったのが「G-MODELING.INFO」さんのブログ。目からうろことは、まさにこのこと。もう30枚くらいうろこが出てきました。

 

まず、接合面に目安をつけて(例えば接合の凹凸など)、2mmピンバイスで穿孔。

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で、2mmのアルミ棒を差す。そしてもう一つの方に2.5mmピンバイスで穿孔。

当然、合わせてもスカスカになるんだけれど、これどOKストア(いつもお世話になっています←神奈川県民)。

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で、アルミ棒にギザギザの傷をつける(康珍化って天才だよなぁ…って脈絡の無いこと書いちゃった)

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で、2.5mmの方にシアノン(DWじゃなっきゃダメだと思う)を注入する。

えっと、ここでパーツの画像が変わっちゃったのはひとえに撮り忘れたからであるので、ココから急に文章だけで説明。

つまり、このシアノン注入した孔に、ギザギザハートのアルミ棒を差して固めちゃえってこと。

この時、アルミ棒のギザギザには瞬着硬化剤をインジェクター(このツールについては後ほど)で塗布しとくと、刺した瞬間に固まる。

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で、これがことがすべて終わった画像。すいません。反省してるよう。

ここで気をつけるのは、最初にアルミ棒差したパーツが最後には受け(凹)になるということ。

詳しくは、「G-MODELING.INFO」さんのブログをご参照くださいね。

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ところで、この瞬着硬化剤を塗布するインジェクターというツール。私、寡聞にして知りませんでした。

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販売元である「ミネシマ」のHPから画像拝借

おいおい、こんなアブねぇものどこで売ってんだよ、と思って、いつもの赤羽模型玩具店のマスターに恐る恐る(怪しいものじゃありません。なんかこんなの使えってかいてあるもんだから…)と聞いてみたところ、堂々と(そりゃそうだ)店に置いてありました。

みなさんにお教えします。怪しいものではありません。これで、みなさんも一つお利口になりましたね。

 

で、ようやく仮組。

……みんなも欲しくなったろ?

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次は、特に腕に多く見られた気泡の処理。

ごめんなさい。この方法はどこで知ったのか忘れてしまいました。

まず、気泡があったら、その下にもっと大きな空間がある可能性があるのと、作業がしやすいようにピンバイスで穿孔。

いろんなサイズでやってみたんだけれど、思っているより大きめの方がきれいになると結論。

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特に小さなものは気泡なのか、ゴミなのか、影なのかわからない時があるので、子どもが持っていた化学教材の簡易顕微鏡を使用。

意外と仕えて大活躍。

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腕だけは、結構あります。

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で、孔をシアノンで埋めて、神ヤスで表面処理。この時は最初の頃なのでピンバイスのサイズが小さいけれど、もう少し大きい方が確実に、そしてきれいになると実感。

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で、白サフ吹いて確認。きれいになっていればOK牧場

最初は下手糞だったので、三回くらいやりなおした。

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ここまできて、ようやく塗装。

小川憲二郎さんの制作工程をフェイスブックで見てて知ったクレオスのMr.メタルプライマーで塗装の食い付きを良くしとく。

ベトベトしないのでほこりを嫌うフィギュアに最適とのこと。

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肌については、サフレス塗装というのをエアブラシでやってみる。

これは、雑誌「レプリカント特別編集 Vol.5」に掲載された村川勝心さんの作例で知った方法。

肌の透明感をレジンの質感を活かして表現する。

肌色の調合は、家のあるもので賄ったので村川さんのとは違うものにしてしまったけど、基本パクリ。

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最初にうす〜く、影部分を入れる。

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そのあと、全体に同じ色を乗せると凹凸感のある仕上がりになる。

確かに透明感ある感じ。

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次に白眼の部分。

これは、記憶が定かじゃないんだけれど、内藤あんもさんが月刊アマ―モデリングで作例を解説していたと記憶している。

要はシンナーで目の部分だけ落として、白眼にしちゃう方法。こうするとやはりレジンの透明感が活かせる。

基本パクリ。

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こんな感じで肌色関連は終了(とは、行かなかったのは後で)

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こうして色を入れると、このキットのすごさが本当に伝わってくる。まだ瞳いれてないのに、こっち見てる気がしてくる。

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指も造型が本当に丁寧。女性の手としか思えない。

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で、瞳を入れて見たんだけれど…

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なんでだろう、しっくりこない…。

 

あと、腰のところにほこりが入り込んで、取れなくなったので

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一度、塗装を剥がしました。

このまま続けるか、ずっと迷ったのだけれど、ほら昇級かけてたもんだから。

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前に塗装剥がそうと思ってシンナーにドボンしたら、えらい目にあったので、ガレキでは気にしなくていいと承知しつつ、タミヤのペイントリムーバーを使用。ピンポイントで剥がせるのでとても便利なことを発見。

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で、瞳を入れ直して、正面を向けることに。なぜか自分としては、こちらの方がしっくりときたので。

Klondaikeさんに失礼だったかも、と今思い始めた。

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青い目にする作業。この時、土門さんから眉毛もっと長い方が自然と助言いただく。

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で、こんな感じでお顔は仕上げ。すごい技術持ってる人から助言もらえるって、とても大切。

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髪は、MODELKASTENのリアルブロンドカラーセット。

ブロンドというより、栗毛色なやさしい感じに。

エアブラシはここまで。

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服は、基本ファレホの筆塗り。素材感つけるところまではやったものの、どうもくすんでるというか、端的に言えば可愛くない…

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ので、再度ペイントリムーバー大活躍。

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色々と検討した結果、ピンクに。フラウ・ボウみたいなフェミニンな感じに。

ただし、いち部分だけは白!

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最後の最後に、瞳に涙(エナメルクリア)を差して、塗装は終了!はぁはぁはあ

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うっかり、忘れていた台。これはKlondaikeさんからおまけでいただいたもの。

立たせるように孔がすでに開けてます。

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彫刻のイメージはネイチャーな感じだけど、服をフェミニンにしたので、逆に台はハードな感じにしてみた。

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と、色々な方のご支援をいただきつつ、ようやっと完成。

作る前は、偉大なる先人の皆さんの足元くらいには食らいつきたいと思っていたけど、とてもとても。

やればやるほど、先を行く人の凄さばかりを理解してしまい、一時はスランプ(意欲消失)になったりもした。

しかし、赤羽マスターの「好きに作ればいいんですよ」という当たり前の助言をいただき、どうにか完成に漕ぎつけた(深謝マスター)。

これからフィギュアを作る際の自分にとっての標準になったと思う(真面目でしょ?このエントリー)。

 

ということで、完成写真。

かわいいぞ。

 

Luce ver1.5

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髪は、MODELKASTENのリアルブロンドカラーで栗毛色に。

白眼はレジンの質感をいかしつつ、クリアに少しグリーンをまぜてる。

瞳は、エナメルのカーキとブラウンを下地にエナメル青と油彩のビリジアンで虹彩を着色。その上からエナメル白で反射を表現。

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カットソーはフェミニンながらヌーディな感じを出したくファレホゲームカラーのローズフレッシュ。

ブラは革を意識してファレホブラックにファレホマットとファレホサテンを重ね塗り。

前身ごろ(?)はフェイクレザーっぽくファレホイエローに光沢オーバーコート。

脇はピッグスキンを意識した、ファレホのゲームエアカーキ、ゲームカラーカーキ等の重ね塗り。

質感には、エナメルとMr.ウェザリングカラー・フィルタ・リキッドを各色使用(色々使ったので忘れちゃた)

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ブーツのレッグ部分はファレホダークイエロー。

靴部分はファレホ暗いゴム色

ヒールは、ファレホゲームカラースカーレットレッド

質感は、同じくエナメルとウェザリングカラー・フィルタ・リキッド

台座はファレホメタルカラージェラルミンとバーンドアイアン

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なんて、データに興味の無い方向け。あなたのフェティシズムはどこから?

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ほこりが…

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ガレージキットはとっつきが悪い感じがあるけれども、作者の愛が強く感じられて、そこが大衆性の高いプラモデルとは、また違う魅力であり、その魅力にずっと付き合うことの面白さ。少しだけですが、理解できた気がします。

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そうした魅力を理解した今、また新たなガレージキットに出会い、そして作ってみたい。

そんな、気持ちになりました。

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っていうか、結構数買っちゃったし、作んないと家族からただの無駄遣い扱いをされてしまうので、作りますとも。

 

 

 

 

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