また傑作キットを凡作に仕上げてしまった。
1/72 「WW.II イギリス陸軍 チャーチルMk.III 1942年 ディエップ」(DRAGON)
ビールしこたま飲みながら盆踊りを踊りまくって、ご先祖様への感謝をお伝えした後に、この記事を書いています。相当の高揚感を抱えながらお伝えする今回のプラモはこちら
1/72 チャーチルMk.
III 1942年 ディエップ
ミニスケで英国戦車を造りたいなぁというのが動機なわけですが、よく考えたら以前造った「グラント」って英国仕様じゃん…。
そういった突っ込みは無しの方向で。
チャーチルには堅牢無比のイメージがあるけど、このキットはドイツ軍に大敗したフランスへの上陸で捨て駒のように使われた奇襲作戦用の仕様。上陸前からドイツ軍に作戦がダダ漏れで、待ち伏せにあったチャーチルは、ボコボコにされたそうです。
そんな悲劇的な歴史を持つ戦車を、断然に手が遅い自分がウィークエンドモデラーを名乗りたい一心で、金曜の夜から作成を開始して、日曜日までに完成させる「週末だけでプラモ造れるもん!」という個人的な痛いイベントで作成した次第。
今となっては、ウィークエンドモデルに、なぜタミヤとかタミヤとかタミヤとかを選らばなかったのかが、最大の謎となっている。→答え。タミヤにミニスケが無いから。
ではでは、まずは通例のインストから
大変見やすく、グローバリズムに富んだインストです。
とおもたのは最初だけ、後いろいろと…
キットも精密感あふれる素晴らしい出来栄え。ボディはバスタブなのねぇ~などと思っていると、実は後で落とし穴が。
とにかく表現力はミニスケとしては素晴らしい。
足周り。ここで驚くのが、チャーチルの特徴である、ムカデの足のような転輪がほぼ2パーツで組めてしまう事。これはイイネ!と、この時はのんきに思ってました…
履帯とデカール。履帯は黄土色で軟性が高い感じ。
作成開始すると、いきなり砲身パーツに難が。最初から開口してあるのは素晴らしいけど、砲身の横にいらぬ穴が!これをマズルブレーキと言い張る事を女王陛下がお認めになるわけもなく…。これが海外キットの所以か……。ならば、立ち向かって行こうぞ!
などと、思ってましたが、その後全てにおいて同様の状況が存在するため、明らかにウィークエンドモデルとしては不適切であったことに気づいていくわけですな(←他人事のような)。
例えば、同軸機関銃。キットのはめ込み口の整形がきっちり合わず、ずいぶんと銃身短同軸機関銃となるのよ。
結局、微細なキット合わせを行って、それなりの状況まで持って行った。こうした細工はきちんとやった方がいいキット。わずか、0.数ミリのことだけど。ちょっとした気持ちのすれ違いが、その後二人にとって大きな問題に発展し取り返せなくなることってあるじゃん?
紆余曲折を経て砲塔完成。ほぼすべての部品にパーツ合わせ(具体的には、削ったり、パーツの形を変えたりする作業)が必須で、この時点でウィークエンドモデラーを名乗る事は難しいと思い始める。
次に足周り。細かいところにも気配りのアンダーゲート。脳裏に浮かぶ1/35の金型データなんだろうなぁなどという直感を振り払いつつ。
いきなり車軸径の調整が必要。仮組→合わない→調整→仮組→…の無限ループかと思いますぜ。右が調整前、左が調整後。径の調整って結構面倒くさいのね。スカスカよりはいいのかな。
そして先ほど称賛したばかりの転輪部。ここまでアンダーゲートの必要ある??っていうか、処理が細かすぎるやろ。
ここら辺は「週末だけでプラモ造れるもん!」から「一週間でプラモ造れるもん!」に変更しようかと思い始めたころ。車体はバスタブなのに、正面装甲はなぜか半箱組み。おいおいどうやって組むのこれ?
ここまでくると履帯の短さに驚く事も無いですわ。軟質素材なので短い時は伸ばしてねってインストにあるけど、そんなレベルじゃない。まぁチャーチルは履帯が隠れるからそこで処理すればいいか、だけど。
上面装甲も見事はばが合わず。影響が大きいところだけ取り上げてるけれど、全てにおいてこんな感じなんだからネ!
好きで擦り合わせしてるんじゃないんだからネ!しょうがなくやってあげてんだから…
もう、あっちこっちが段差や隙間だらけじゃない。なんで私が修正してやらなきゃいけないの?!もう、今回だけはしてあげるから感謝しなさいよ!
やだ…べ、別に思ってたよりかっこいいなんて思ってないから……ちょっと、いいかなぁって思っただけだから…
…すいません。いい加減にします。
しかし、組みあがるとプロポーションのよさに惚れ惚れ。いままでの細工がすべて良き思い出に脳内変換する瞬間でした。
基本的にタミヤアクリルのレッドブラウンで基本塗り。
履帯は、いつものガイアさんを下地にタミヤアクリルのダークアイアン。
この間、藤沢の赤羽模型で物色中に、他のお客さんがガイアのブライマーっていいですか?って相談してたので、横から「これはいいものですよ!」と力説しときました。いや、ホントにいいものですから。
で、これが「週末だけでプラモ造れるもん」の完成。SNSでアップしたもの。デカールなどはまだだけど、俺だってここまで出来るんだぜ!みたいなドヤ顔で。
ところが…
この吸排気管が、ポキポキ折れる。というのもですね。
こうで、
こう。管イモ付け。すごくない。ちょっと触れるとポキッと。
あと、インストではいつの間にかくっついている部品とかが。例えば後方牽引U字フック。こういうのを見落としていたのだ。心急ぐと大事なものでも見落とすもので。
特に吸排気管はあまりに何度も折れたので、ボロボロに。ここは修正せねば。ここからは「週末だけでプラモ造れるもん」以降の作業となります。
WAVEの真ちゅう線「Cライン 0.8ミリ」を使用して、形を造るんだけど角度調整に手間取るので線が痛まないようマスキングテープで養生。
こんな感じで部品完成。
で、既存のパーツを一部使用して終了。この細工は最初からしといた方が本来はいいと思われますです。
ということで、本当の完成(って意味が不明)。履帯は隠れたところで繋げていないので弛みの表現が可能に。
チャーチルは側面からが一番映えると思う。このキットはスタイルがかっちょええ。
ついでに逆サイド。デカールはキットに合わせて割って貼らないとならないので、面倒は面倒。
車載道具はご多分にもれずモールド。彫がしっかりしているので、実に立体的。
色々あった砲身も、そもそもキットの形が良いので見栄えがする。ミニスケでもこの迫力。
モールドも含め、彫刻が丁寧なので組みあがりが綺麗。細かいところまで行きとどいてる感ありますなぁ。
通常、汚し塗装をいれるんだけど、この戦車は上陸作戦用で海から上がって来るので、フィルタリングとかるいウェザリングだけ。
ということで完成でございます。部品の調整には明け暮れるけど、その苦労を超える完成度となるので、これはこれで楽しめるキットだと思いました。うむ、満足じゃ。