プラモデル「T-34/85」(筆塗り)

  • 2014.11.24 Monday
  • 06:41
JUGEMテーマ:プラモデル

また、傑作キットを凡作に仕上げてしまった。
1/72 「T-34/85」(エース)
01.jpg
ということで、映画「ホワイトタイガー」の続きで、造ってみました。T-34/85です。
旧ソ連戦車は次男は作成しましたが、私は初めての作成となります。グリーンの迷彩って、結構オシャレ。あと、買ってからびびった1/144スケールキットの表記。中身は、1/72で間違いなかったです。しかし、開けるまでドキドキしたよ。

02.jpg
インストは英語と韓国語です。が、特に支障はありません。むしろ、イージーカルとあるデカールが初めてで、興味深い。転写式と直貼りがあるんですねぇ。

03.jpg
ホントに最近のインストは世界標準ですばらしい。これぞユニバーサルデザイン。しかし塗装例があっけらかんですごい。冬季迷彩なんて、真っ白ですぜ。ま、気持ちはそうなんだろうけど。

04.jpg
キットです。車台と砲塔。小さいのに精密感のある綺麗なキットです。

05.jpg
足周りと車台の底部。底部はバスタブ式です。シンプルですが、車軸のデテールなど、綺麗です。この時点でかなりかっこいい出来が想像出来ますね。

06.jpg
分割履帯。実は分割履帯を作るのは初めて。それはいいんですが、一部が板のようになっています。確かに旧ソ連戦車の履帯は、あまりたるみが無いように見えますが、板で大丈夫かいな。

07.jpg
そして、これがデカール。正直どう使うのかよくわかりませんが、今回はこのデカールは使いません。赤い星が必要なのですが、今手元に無いので、今回の完成はデカール無しの方向で行きます。
それでは作成開始ですが、キットがよく出来ていて、ほとんどストレスがありません。まぁ、サクサクと進みます。

09.jpg
ちょっと迷っちゃったのが履帯。全部が連結履帯だとなんとなく安心(?)なのですが、この板部分は使いどころが決まっているわけです。そうすると、一旦すべて接着してからというのが、ちと怖い。そこで、保険のために履帯の複製をします。

11.jpg
簡単便利な「おゆまるくん(風)」再登場です。そしていつもの光硬化パテを使います。小さな部品の複製なら、お手軽に出来るので、好き。

12.jpg
こんな感じで、以外ときっちり出来るんですよ。バリ取りなどは多少面倒ですが、それでもほぼ完全な複製です(悪用してはいけません、が悪用できるほどの幅も無し)。

14.jpg
念のため、仮に繋げてみますが、まったく問題無いですね。いい感じ。これで、履帯が足りても足らなくても、どうにでもなる!と意気揚々と組みましたが、まぁ、当然部品点数で賄えました。若干隙間はありますが、板履帯がある以上、緩ませるわけにもいかず、結局複製品は使わずにの、方向で。
ところが…

15.jpg
一つ目の罠です。これ、知ってる人には当然なんだろうな。起動輪の履帯をかける部分が、履帯部品に干渉します。これを見越して履帯を組まないと、「なんか履帯がずれるなぁ」となります。面倒くさい場合は、起動輪の中の棒を切り取ってしまってもいいのかも。

17.jpg
履帯以外にも、若干の罠が。
二つ目の罠は、車体後ろの牽引用のフック。実車写真と見比べると上下が逆です。インストがそもそも部品を逆に描いてるので、ぼ〜としているとプチ混乱します(しました)。
もう一点。これは感動の罠なのですが、インストの10工程で車台の上下を接着すると前方にどうしても隙間が出来ます。
これも知ってる人は迷わないんだろうなぁ。
キットの構成上どうしても隙間が開くので、パテ埋めしようか、迷いました。しかし、よく先を見るとここに車台の先端部を取り付けることになっています。しかも、この隙間にみごとピッタリの部品構成。パテ埋めしないで良かったと思うと同時に、この小ささで精密&丁寧な設計に感動しました。感動するでしょ?しない?普通?あぁ、そうですか…

18.jpg
これは、ありとあらゆるキットに言いたいんだけど、この燃料タンクとかそういった類の円筒部品の上下分割って、もうやめません?毎回毎回、パテとか瞬間接着剤とかなんとかかんとか、いちいち整形が必要で、他の部品ならまだしも、これはパーツ分割でどうにかなるじゃん。縦切りとか。なんとかなるんじゃないの?普通?最近のキットは問題ない?あぁ、そうですか…

21.jpg
旧ソ連戦車の特徴の手すりの取り付けです。この戦車にも、12個の手すりがあります。こういうところ、資源の惜しみない国って感じがします。
キットの手すりは精密でいい感じなのですが、強度とより細い感じを出すため、ウェーブのC-Line0.3ミリを使います。作業効率を上げるため治具を作りましたが、よく言われるホチキスでもいけたのかも。

23.jpg
あと、些細な事ですが、実車の写真を見ると前方のスカートに車台と接合するためのリベットが打ってあるんですね。あまりに小さいのですが、どうもこのままではあっさりしすぎなので〜

24.jpg
ファインモールドのランナーについてる、「剥がして貼ってみようリベット(仮称)」の最小リベットを使ってみました。サイズオーバーになるかと思ったけど、いい感じでしょ、そうでしょ?

25.jpg
この戦車の大きな特徴の一つに、鋳造砲塔があります。キットではつるんとしていて、テクスチャは再現されていません。ただ、1/35ならパテ盛りしてうえから歯ブラシとかで叩くと鋳造感が出ると思うのですが、このスケールだと大味になりすぎる気が…。写真をみても極端なボコボコでも無いんですね。
実車の再現性と模型的表現の狭間で色々と悩み苦しみましたが、結局あいつのことを守ってやりたいといや違うその話じゃない。
鋳造感は塗装で工夫することにしました。また上下の溶接痕は、タミヤセメントをパーツの上下にべっちょり塗って、ちょっとプラが溶けたところを、無理やり上から押さえつけるという昭和的な教育方針で表現してます。

26.jpg
全体的にひとつひとつの部品の出来はとても精密で良いキットなのですが、ほぼ唯一、お道具箱だけは出来がよくありますせん。これだけは、造り直した方が良いと思います。結構、目立つところに置きますからね。

27.jpg
ハイッ!これで、組み立ては終了です。何度も言いますが、キットの出来がとても良いので気持ちよく作れます。履帯だけは、ちょっと間を開け気味にする場所を意識的に造っておいた方がいいですが、それ以外はもう、全く問題なし。ナナニイにはまっちゃいそう。
で、キットの出来とは関係ないのですが、個人的に旧ソ連の戦車って車台はすごくツボにはまるカッコヨサなんですが、どうも砲塔の形状が、どの戦車も好きでない。色も緑で可愛いのに。砲塔だけが好みじゃないなんて「結局、あなたの目当てはカラダだけなのね!」とか言われそうだ。

28.jpg
さて、いよいよ塗装ですが、ベースの緑迷彩が実は良くわからない。現在のカラー写真ではかなり暗い感じ。一方、他の方の作例を見ると意外と自由。映画「ホワイトタイガー」では、暗い濃緑色に見えるが映画的コントラストだと思える。等々考えて、やや青っぽい緑に振った感じで濃緑色とディープグリーンを混色することに。結果、なかなかいい感じ。

29.jpg
この時点で、砲塔を塗る際にプラの削りかすを混ぜて、軽くテクスチャまがいを入れておきました。

30.jpg
うん、悪くない。ここから汚し塗装です。

31.jpg
汚し塗装のベースは左から、鉛筆を紙ヤスリでこすり作った鉄粉をわずかに混ぜて薄めた黒鉄色(エナメル)、鋳造砲塔に使用。ファレホの錆色用マホガニーブラウン。墨入れと水垢用の薄めたジャーマングレイ(エナメル)。車台のウェザリングで使用する退色用に薄めたデザートイエロー(エナメル)。調色用のエナメル薄め液。
これを、ベースにちょっと他の色を混ぜてみたり、拭いてみたりします。

32.jpg
鉄粉を入れたウェザリングは、前にホイペットを作成した時に実験的にやったものです。模型的な鉄っぽさを出せるのですが、けっこう調整が難しいのも事実です。鉄だから、寄って変なムラになりやすいんですね。ある程度馴らして乾燥してから、こするということをホイペットではやって、なんとなくの鉄っぽさを出そうと試みたのですが、今回は鋳造なのであとで擦る必要が無いように、何度も重ねて塗っています。ですので、一回の濃度は極薄いです。結果、結構鉄っぽくなったかと思います。ただ完成した技法というには手間がかかりすぎますね。

33.jpg
さて、いつもは錆垂れ表現に、エナメルのハルレッドを使うのですが、今回はソ連戦車らしく、錆を強調したかったので、最近発売されたMr.ウェザリングカラーを使ってみました。
結論から言いましょう。
これは、いいものです!キシリア閣下!
調色がとてもよくって、まさに錆垂れ。錆垂れの中の錆垂れです。まさにキング オブ 錆垂れ(ひつこい)。
この進化は、もっと大きなモデルで発揮されるでしょうが、ミニスケでも十分に大活躍です。
色合いだけでなく、臭いもほとんどなく、ストレスありません。
ただ、またいつもの「ただ」ですが、どうも薄め液でコントロールをしていると、量にもよるのですが「テカリ」がでます。これは、Mr.ウェザリングカラー薄め液単独の問題なのか、他の塗料との関係性によるものなのかは分かりませんが、特にミニスケだとテカリが目立ちます。スケール次第ではそれも、面白い表現になるかもしれません。
今回は、車台はテカリを抑えるために艶消しトップコートを行い、砲塔は逆にテカリを生かしてそのままにしてみました。
ということで、これで完成です。

34.jpg
T34-85です。…陰にういてる縞模様は多分カメラのレンズの汚れ。年末にカメラ買い換えたい。

35.jpg
複製した履帯は、予備として積んでみました。
組んでみると、どことなくアンバランスなT34っぽさが出てて、好みはともかく良いプロポーションです。足周りは、泥が乾燥して茶と灰が混ざったような感じでピグメントやタミヤウェザリングスティックなどを混ぜたり重ねたりしています。

36.jpg
リア部分。錆表現は全体的にファレホでチッピング&Mr.ウェザリングカラーで錆垂れをしています。そういえば、マフラーの部品は開口していないので、開口しました。あと、大砲も開口してないので、この2点は開口した方が圧倒的に見栄えが良くなると思います。マフラーもう少し熱劣化表現してもいいかも。

37.jpg
同じ錆表現でも、車台はテカリを押さえて艶を消して、砲塔は逆にあえてテカリを残しています。これで、砲塔の鋳造感を模型的嘘で表現してみました。

38.jpg
当然、ミニスケ的にはこうした汚れ全般の表現はオーバースケールになるんですが、1/35に比べて、あえて強調しないと逆に印象が散漫になる気もします。見せるとこは見せるみたいな、思い切りの良さがあるのが、このスケールの面白さかと(何を偉そうに)。

39.jpg
砲塔の白っぽく見えるところが、鉄粉が寄ってるところです。実際は角度によって黒く見えたり、黒鉄に見えたり、こんな風に灰色ぽく見えたりします。これが変な所に寄っちゃると、塗装を失敗したブリキのおもちゃみたいになるので、塗って乾かして、変なとこを修正しつつ塗って、を繰り返してますよ。

40.jpg
ハッチや手すりは人が触れそうなところから錆びいく感じを心がけるといいかも。
って沢山のすごい人が言ってるので、私も言ってみた。

41.jpg
ホワイトタイガーとの比較。主人公はホワイトタイガーなのですが、力の入れようの違いが歴然。これは、悲しいけど、キットのやる気を出させる感が違ったのが一番かな。値段的には2倍違ったから仕方ないけど。
ただ、どっちがどっちじゃないのかも。タイガーも作ってて楽しかったし。ハセガワは安くても悪いキットではないから、遊びでも真剣でもどっちも受け入れる懐の広さがあると思う。

42.jpg
まぁ、でもかっこいいか。タイガーはちゃんと作って、足周りを見せてあげたい。また、作ろうかな。普通に。

43.jpg
前回、タイガーのブログで、縮尺が小さくない?とか思ったけど、こうして見ると違和感無いから合ってるのかな。タイガーの重戦車感ハンパ無い。

44.jpg
「まずい!あいつだ!あいつが現れた!」

45.jpg
「あいつを倒すのは、私しかいない!しかし、あいつは、倒してもきっとまた現れる」
うふふ、なんか楽しい。

46.jpg
ということで、今回はタイガー(映画ホワイトタイガー仕様)とT34/85を作ってみました。ナナニイ戦車を真剣に作ったのは初めてですが、コレクションしても場所取らないし、航空機とのスケール合わせの面白さもある。細工も、大胆さと繊細さの楽しみがあり、より部品の細かいキットをゆっくり作るのも面白そうだし、手軽なキットを買ってきてザックリ作ったり、自分の思いどおりに手を入れたりも楽しそう。迫力はさすがに無いけど、いいですよ。このサイズも。楽しみました。
さて、ちょっと寄り道が長かったので、日本戦車に一旦戻ります。ストックが沢山ありますから!

 

 

 

面白かった!と思っていただけたらぽちっとお願いします!


模型・プラモデルランキング

ありがとうございます!

calendar

S M T W T F S
      1
2345678
9101112131415
16171819202122
23242526272829
30      
<< November 2014 >>

面白かったら!ぽっちとお願いします!

selected entries

categories

archives

recent comment

recommend

links

profile

search this site.

others

mobile

qrcode

powered

無料ブログ作成サービス JUGEM