レジンキャスト サイJK(ちび柴付属)
- 2018.12.16 Sunday
- 00:35
JUGEMテーマ:プラモデル
GirlsWeapon(ガルポン) 1/8サイJK(ちび柴付属) (アトリエイット)
また、傑作キットを凡作に仕上げてしまった。
言い訳はもうしない。仮に(「仮」ではないが)前作の完成が7月で、そして今師走が半ばであろうとも。
この間、一体全体何をしていたか。すでに模型作成が趣味とは言えないのではないかというそしりを受けようとも、だ。
例えば、2年遅れで「NieR Automata(傑作!)」にはまりまくっていた、とか。
例えば、「宇宙よりも遠い場所(名作!)」観て号泣、を何度も繰り返していた、とか。
例えば、懐かしくて「アドバンスト ファイティングファンタジーTRPG(秀作!)」を毎週遊んでた、とか。
そんなことをあえて書こうとは毛頭思わない。えぇ、言い訳はしませんとも。
と、いうことで、すでに寒さ深まる中、今回のフィギュアはこちら!
サイJK(ちび柴付属)
フィギュア造形の鬼才、林浩己さん作。
GirlsWeapon(以下、「ガルポン」という。)シリーズの一作。初の女子高生(女子校生じゃないよ。この違い分かる人はなかなかだぞ)。
パーツ数は全15。効率的で作りやすい分割。
ちょとウェーブがかったストレートヘア。この時点で黒髪決定。
膝上丈のスカートがすれてない感を演出。いわば優等生キャラ。
歴史と古典が得意で物理と生物が苦手。生徒会の副会長で大らかだけどいい加減な会長の尻拭い役。
クラブは陸上部でそこそこの成績があるのに、ガルポンとしての任務を果たすためクラブ活動に注力できず、実は内心普通の女の子生活に憧れている。
と、作ってる時にブレ無いように、ここでキャラ設定を決めておく。
「よりもい」でいったら報瀬のような周りを牽引するけど融通のきかない正義感の持ち主って感じ(ここで、ピンときた人。こんど一緒に飲み行きましょう)。
サイ、だね。サイJKだし。しかし、サイというのがマニアックというか、通好みというか。
これ以上に尖ると十手ってことになりかねない。十手JK。あり?
そして、ちび柴。命名、大五郎。
丁寧なお手紙がついていました。
早速、パーツ洗浄。
最初にぐつぐつ。表面の油を落としやすくすると同時に、ウソかマコトか、パーツにしみこんでいる離型剤がガス化すると聞いたので。
薄い部品はゆがんでいることがあるので、煮て柔らかくした上で形を修正して水で冷やす。
そしたら、ジップロックで離型剤落としにつけ込んで一晩。
その後、中性洗剤とセスキ炭酸ソーダでゴシゴシ。
最後に、ちょっと中性洗剤入れて超音波洗浄(眼鏡洗浄機ね)。
これがレジンキットのルーティン。ここまでやれば、さすがに塗料弾かないでしょう、と信じてる(幸いに今まで弾かれたこと無し)。
真夜中に仮組みの図。
気泡もパーティングラインもほとんどなく、すんなり形になっちゃう。
この大きのリアルフィギュアの存在感は、ちょっと他と迫力が違う。
最初に大五郎から。首に結構な隙間があいてしまい、段差も生じてしまう。
接着と隙間埋めを兼ねて、シアノンDWとタルカムパウダーを練ったパテ(以下、「シアノンパテ」という。)を使用。違和感が無いよう毛並みのモールドをちょっと掘ってみた。
同様に、お股にも隙間が生じてしまってる。この後の塗装を考えると接着しちゃうわけにいかないので、隙間だけ埋めたいところ。
軸打のついでに隙間埋め。ここら辺の詳細は「花と緑ちゃん」を併せてご参照下さいませませ。
まず、ボディの方にワセリンを塗っておいて、
足の方にはたっぷりめにシアノンパテを盛って、ぎゅいっと押しつけて、はぁはぁしたりする。
勘違いした人いるでしょ。はぁはぁはシアノンパテは水に反応して固まるので息を当てて硬化をはやめてるのよ。決して、意味ありげに意味なくはぁはぁしたんでなくてよ(ちなみに短気な人は硬化剤を使いましょう)。
で、バキッ!!と外すと隙間が埋まってるという感じ。
このバキッ!!と外すのが結構怖くて、なかなか力が入れられないんだけど、レジンは弾性があるのでまず折れない(と思う)。
最後に離型用に使ったワセリンを落とす。これやらないと接着も塗装も出来なくなるので忘れずに。
洗剤で洗うのも手だけと、自分はペトロールでパイ化乳化しちゃう。
出来上がると見えなくなるところまで魅力的に作り込んでるキットなので、作者様の意図を汲んで、ネオジム磁石でスカートを着脱式にしています。
もうこれは作者様のご指示であるパス受けた仕様です。仕方なかったんですよ。
サイのゆがみがどうしても修正出来なくて、プラ材にテーパーかけて作り替え。
いよいよ塗装。まずシャツについてはホワイトサフ。乾燥後、肌色を塗りたいところ以外をマスキング。
こういうときはマスキングゾルが大活躍。
ガイアのノーツフレッシュ塗装後、マスキングはずし。
これで、アンダーシャツとかシャツの透け感とかを出す下地完了。
この上から、ファレホのデッドホワイト、ホワイト、オフホワイトそれぞれにグレーズメディウムを加えて半透明にして重ね塗り。
ファレホは布感とか出すのに最適。
次に足。この写真ではほとんど分からないんだけど、水性色鉛筆で血管を書き込み。
さらに大腿部の正面とか脛など青い血管が目立つところは薄ーくクリアブルーをエアブラシ。色づくかどうか程度に薄ーく。
その上から、ごくごく薄めたクリアレッドをエアブラシ塗装。
そのあと、シンナーで湿らせた筆で塗料を落としたり動かしたりしながら皮膚の下の毛細血管を作ってく。
これも写真が分かりづらいなぁ。新しいカメラ欲しいなぁ。
そのあと、少しだけオレンジに振ったクリアレッドを全体に。
こんな感じで大体出来上がりなんだけど、若い女の子だとちょっと痛々しい感じなので、
ノーツフレッシュ1に対しクリア2を混ぜて層を重ねて。
柔らかさと、体温をイメージして……。
なんか、こう書くと変態じみてる気がしてきました…
で、足はこんな感じで塗装終了。見えなくなるんだけどね。
で、いよいよお顔。まずは、自分が一番苦手感がある目線の合わせ。
苦手なので最初に瞳孔の真ん中を決めちゃう。
作例だとちょっと目線を横に振っているのだけど、キャラ設定上(ここでようやくキャラ設定が)、まっすぐ正面を見つめる瞳かと。
瞳を横に振っている方が目線を合わせやすいんだけど。
次に瞳孔中心点の周りを塗って虹彩の大きさを決める。
虹彩は小さい方が表情の豊かさやドラマ性が出るけど、今回はかわいく作りたいので大きめにすることに。
目を入れる時は、実際に目線が合ってるかわからなくなるので、必ず色んな角度から写真を撮って確認。
工程のたびに撮影するので、この作業の時はカメラ内のデータが顔だらけになって、ちょっと他人が見たら怖いぞ。
次に虹彩の縁と瞳孔を残して一旦色を落とす、これは私が尊敬する田川弘(PYGMALION)さんに教えていただいた技法。
ここで、最後の目線確認を行う。この写真を見ると微妙に視線が合ってないことがわかるけど、裸眼では目線が合っていると認識してる。なので、写真をとって何度も確認することが自分には必須。
最後に虹彩を入れて、少し網膜を書き込み。瞳の輝きを表現するのは、白を刺さずに網膜の濃淡で表現するようにしてる。
白入れると、このサイズだと「白、入れてます!」って感じになるなぁ、と思って。
最後に、ガイアのUVジェルクリア。なんか、この時点ではお面みたい。
最後に、ファレホのマット、サテン、グロスバニッシュでツヤの調整。これで出来上がりのはず、だったのだけれど…
なんと、ツヤ調整のためにマスキングゾルを使ったところ、ファレホの塗装を一緒に持ってかれることに。
さすがにここまでやられちゃうと、塗装剥がしてやりなおしに。
後で赤羽模型玩具店のマスターに聞いたら、エマルジョン系の塗料にマスキングゾルはダメかも、と。
ファレホの上にマスキングゾルは、ダメ!絶対!!
と、紆余曲折を経て、完成。
スカート、外れます♡
ガルポン活動の時は、動きやすいようにレーシングブルマを着用。これでハイキックも安心。
見えなくなっちゃうんでね、記録を残しとく。他意は無いぞ。無いから。ホントだから。
ご満悦、いただけましたでしょうか。
シャツは清潔感と布地の柔らかさとすべらかさ、それとうっすらと透けた感じを目指したがいかがか。
なんか、写真にすると顔がのっぺり見えるんだけど、実際はここまでのっぺりはしてないんだけど、撮影技術の問題かなぁ。
大五郎も健在です。
色はげした、靴と口下もどうにかリカバー。しかし、この靴下のモールド。林先生、もしかしたら靴下フェチなのかしら。
ということで完成なんだけど、なんか顔が…
なんと、あの越智信善さん(マエストロ)より、屋外で撮影すると今後の参考になるとアドバイスいただきました。
で、撮ってみると…なんかマイケルジャクソンみたい。
光のまわりに気づけるとのご助言だったのですが、確かに顔も体と同じくサフレスにしたので、不透明に塗装した部分だけ不自然に強調されてしまっているのかも。
光源を正面にするとようやく見た目に近い写真に。今回は夜の作業が多かったのでこのことに気づけなかった。
体はサフレスで仕上げるとしても、顔は透明感を抑えた方が良いんだな。
うん。見た目はこんな感じです。
色々と課題を残したままですが、この作品は藤沢市の赤羽模型玩具店さんに置いていただけることとなりました。
もし、赤羽さんでお買い物の際は見ていただければと思います。
そして、もしよろしければ感想などいただけると(マスターに伝えていただいても)今後の制作の参考や自分の張り合いになりますので、ぜひぜひよろしくお願いします。
そして、このエントリーは今年最後では無いぞ!
超特急でこれから何か仕上げるぜ!!
令和元年5月18日 追加更新
まさか、元号が新たになり最初の更新が、追加更新とは…
えっと、どうしてもお顔の塗装が納得いかず、一時赤羽さんからお持ち帰り。
お顔の血色や、そばかす、ほくろなどを書き入れて、女子校生らしくしてみる。
自然光で撮影しても納得できる!
これで、本当の完成にします!!
あぁぁ、ずっと気になってたけど、手を入れて良かった〜
横顔も自然な感じ。
左目に涙ぼくろ入れてみた。
改めて自然光で立ち姿。
この柳腰がなんとも……いい
この角度が一番いいね。
うむうむ。
シャツの質感。ちょっと透けてる。
足の皮膚感。ようやく上手く撮影できる設定がわかった。
お尻の方は、血管の上に脂肪がある感じで。
毛細血管と静脈を意識した横もも。
内股は大きな動脈がある。大腿部の前には脂肪層が厚いので青白い感じ。
膝。ちょっとくすんだ皮膚。間接だからね。
膝裏。ここも大きな血管が見えているところ。
手の甲にもうっすらと血管が見えるように。
ようやく完成と言える。
また、赤羽模型玩具店さんに飾っていただきます。
めでたしめでたし
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ありがとうございます!
レジンを生かして透明感ある表現を目指しました。
しかし、顔には不向きだったようです
(^。^;)
これからもよろしくお願いします!!
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